イラスト描き方

ミッチのパースの話し☆キャラ編(第1話)背景パースにキャラを乗せる基本ルールとは?

パース解説マンガ40

イラストレーターになりたい三毛猫のミッチ。

ベテラン画家のサンジロー師匠に弟子入りしています。



1〜3点透視図法をマスターして、

いよいよキャラが描ける!と張り切るミッチ。

ところが、師匠がこれまた


キャラを配置する「基本ルール」があるという!

どうやるの?


キャラ編☆第1話

パース解説マンガ40
パース解説マンガ42

こんにちは、

イラストレーターのかんざきかりんです。

さあいよいよ、キャラ編です。

背景の描き方を学んだのも、

全てはキャラを活かすため!

背景に自在に複数のキャラを配置するためです。

今回は、

キャラの大きさを決める基本的なルールについて。

先に答えを言ってしまえば、

アイレベルが通るところが同じ高さ

ということです

とても簡単ですが、

わたしはその昔、本でこのことを知って

とても画期的でした。

これで自在にキャラを配置することができます。

今回4コマの中での説明した背景は

地平線に一本道、という単純さでしたので

もう少し実際の背景でどうなるかを

見てみましょう。

四畳半にキャラを配置してみよう

前回も使用した四畳半に、キャラを配置してみましょう。
赤線はアイレベル、星マーク★は一点透視の消失点です。

キャラがタンスの前にいるとします。(A)

部屋の奥に移動させてみましょう。(B)
一点透視の消失点から(A)の足元に向かって
パースラインをひきます。(ピンク点線)
アイレベルは頭のてっぺんなので、(B)の位置でも
同じです。

窓際の位置にいるなら(B)の大きさなので、
同じ大きさで好きにポーズをとらせることができますね!(C)

今度は文机に向かわせてみましょう。(D)
位置としては(A)に近いので少しだけ小さいサイズにして
座らせてみました。

今度は、
この部屋より手前に移動させてみましょう。(E)
(廊下かしら)
足元は見えませんが、
やはりアイレベルは頭のてっぺん。

こうして、大勢のキャラを違和感なく
同じ画面に配置できますね!
(今回は同じ身長の場合)
手前に大きく入るキャラは、アイレベルが頭上なので
画面下の辺りではだいぶ俯瞰になってきますね。

おまけ。
窓が開いて庭とブロック塀が見え、
その向こうに背伸びしてのぞいているキャラ(F)
がいたらこんなふうに見えるでしょうか。
少し背伸びをしているので、
頭のてっぺんがアイレベルを少し超えています^^
こんな風に、アイレベルを基準に自在に描いていけます。

とてもシンプルな法則だけど、
おかげで迷いなくその位置のキャラの大きさが決まり、
とっても便利。

建物とキャラの大きさの関係も配慮

今度はもう少し描き込んだ絵で見てみましょう。
手前のアリスを奥の家のドアの前に立たせたいとしたら。

ピンクの線がアイレベル。
この背景は二点透視図方で描かれています。

アイレベルは手前のアリス(A)の
頭の下の方を通っていますから
画面の奥へ行ってもアイレベルは同じあたり。(B)

さて、
アイレベルにあるものはキャラだけでなく背景も同じ高さ
だから、
キャラを立たせてみてドアや窓との対比を確認し、
調節します。
(このカエルさん、ちょっと大きすぎですかね^^;)

ドアの前に立たせるとしたら、
階段の高さ分、上へずらさないとですね。(C)

もし建物の端っこへ移動したら?
右の消失点に集束するパースライン(青点線)に沿って
縮小させればOK(D)
消失点とパースラインがあれば、
正しい大きさで画面を移動させることができます!


余談
この絵では、アリスの足元が見えないので
もしかして木の根本が盛り上がっていたら、
(A)のアリスと家は同じ水平上にいないですよね。
(A)アリスの方が高い。
だから、(A)のアリスは今の絵よりもう少し上に配置して
((B)や(C)はそのまま)も理屈に合うし、

逆に家の位置が少し高くて(A)のアリスは
少し低い位置にいるということもあり得ますから
そうしたら(A)アリスは
今の位置よりもう少し下に配置しても
おかしくない。

なので、絵面がいいように
多少高さの位置を変えて描いても大丈夫。
(もし足元までフレーム内なら、
ちゃんと高低差を描かないとですけどね!)

こんな風に、どんな構図にし、
キャラをどんな大きさで配置するか
アイレベルを基準にして
あちこち移動させながら
いい構図を決めていくのがレイアウト作業です。

文章で書くと説明が長くなってしまいますが、

意外と簡単ですよね!

アニメで、キャラが画面の奥や手前に移動するなら

この辺をしっかり設定しておく必要があります。

イラストなら動かないから、だいぶ気が楽ですが

大まかにでも把握して描いていると

やっぱりリアリティが出ますよね^^

さて、次回はこの基本を踏まえて、

・キャラがアイレベル上にいない時はどうなるか?

・身長差のあるキャラを配置するとどうなるか?

あと、実際にキャラ設定を見ながらレイアウトを

描いていく手順を解説できたらと思っています。

お楽しみに!

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かんざきかりん
イラストレーター・アニメーター・デザイナー