こんにちは、イラストレーターの かんざきかりん です。

先日ご紹介した、カレンダー用水彩画12ヶ月、ご好評いただけて嬉しいです。

 

描いてるときは夢中になることが多くて(あと、大抵急いでて)めったに記録してないのですが、

2月の「鶴見岳の霧氷」だけちょっとマメに写真とっていたので、

この機会に、私が水彩画を仕上げる手順をご紹介したいと思います。

 

水彩画 描き方01

まずは、クライアント様のご要望、資料をもとにラフを描きます。

(実際その場にスケッチに行けるといいんですけど)

わたしは色鉛筆で、実際の半分くらいのサイズで描き、バランスをみます。

ここでクライアント様にチェックしていただきます。

 

そして何か修正があれば対応し、線画を仕上げます。

水彩画描き方01

水彩画なので線は最小限です。これでもちょっと多いでしょうか^^;

これは木製パネルに水張りしたあとです。

(水張りというのは、紙を塗らしてパネルの上に置き、のり付きの紙テープで周囲を留めて、乾かします。)

線画は鉛筆で描いてスキャンし、濃さを調節して顔料インクで水彩紙に印刷しています。

水張り後、空を塗るため山をマスキング。

マスキングというのは、絵の具がはみ出して欲しくないところをマスクして覆っておくことです。

水彩画描き方02

一応、水彩画の手順としては、

「奥から」「広い面積から」「薄い色から」というセオリー?みたいなのがあるので、

ある程度順番を考えて塗っていきます。

空はまず水でぬらして、グラデーションになるよう上から手早く塗っていきます。

今回はくっきりした冬の晴天になるよう、ガッシュを混ぜて鮮やかにしています。

水彩画描き方03

カメラ寄ってみました^^

雲は、空の絵の具が乾かないうちにささっとのせてにじませます。

影の部分にグレーをいれるとリアルに。

空が乾いたら、山のマスキングを指でこすって剥がしていきます。これはけっこう楽しい☆

失敗すると悲惨ですけど・・・

水彩画描き方05

山に、先に影をいれます。これは「グリザイユ画法」というものです。

画家の奥津国道さんを心から尊敬しているのですが、この方の本をみて昔練習しました。

水彩画プロの裏ワザ (The New Fifties)

どちらから陽がさしているか、光源などを描いていく最初の段階で意識できるのでおすすめ。

山肌を塗っていく前に、必要かどうか悩みつつ、手前の樹氷にもマスキングしました。

水彩画描き方04

ちなみに、今回使用しているマスキング液はこちら。

ホルベイン 水彩用メディウム マスキングインクペンタイプW469 W469 25ml

修正液みたいに押しながら液を出してペンみたいに持って使います。べんり。

これは薄いピンク色で線が透けて見えていいです。あと剥がしやすいのもgood。

でも、乾きにくい・・・

水彩画描き方06

「奥から」のセオリーにしたがって、山をぬっていきます。

紙はアルシュの細目(普通の水彩紙の中目くらいの粗さ)を使っています。

自然の風景だとドライブラシを多用するのである程度の粗さが必要。(私の場合)

マルマン アルシュ 水彩紙 ブロック 26×36 C 細目 177-168

私は水張りするのでロールで買って、切って使っています。お値段いいので失敗したくない(笑)

 

細かい凹凸を考えて・・・ここは地道な作業がつづきます。

水彩画描き方07

このあと、手前の樹氷に苦戦したため?だとおもうんですけど、写真とってませんでした^^;

で、お料理番組みたいに、すっ飛ばして

完成はこちら!

水彩風景 カレンダー

近景は相当ガッシュ使っていますね。

空が強かったので、バランスをとらないといけなくて、あまり透明水彩らしくない絵になりました。

アナログ絵なので、仕上がってから大きな変更、修正はできませんが、

デジタルで可能な範囲は対応し、データで納品します。

最近は原画でくださいというご希望はあまりないです。

補正も描いた本人が原画を見ながらするのが一番かな~と思います。

画集とか超高品質なスキャンが必要なら違うのでしょう~

 

こうした水彩風景画、どのくらいで描けますか?ときかれることがあるのですが、

ラフ画で半日~1日 資料集めで手間取ることも。

修正は内容により時間はまちまち。修正なし!これでお願いします、という時も。

清書は1~2日。こみいった建物、街並みなどはもっとかかります。

スキャン・補正・印刷・水張りは半日

着彩はできれば自然光の中でやりたい。一日ぶっ通しか

2日にかけて。失敗すると印刷からやり直し。

仕上がり後スキャン補正、先方様チェック、修正。

なので一週間(以上)はみておきたいところです。

 

そういえば、去年のクリエイターEXPOで、最近は風景画をアナログで描く人は減っていてめずらしいと、

おっしゃってるお客さんがいましたっけ。

水彩って失敗したら二度描き(上書き^^;)できなくて全直しだから・・・

デジタルで描けるならそれがいい!っていうのもすごく実感してます。

それでも、紙に絵の具が染み込む感覚とか、計算できない偶然の良さとか(にじみとか)

「絵を描いてる」っていう充実感というか。アナログの良さもやっぱりあるのです。

紙が好き、水張りをする手順が好き、マスキングを剥がすのが楽しい♪

そんなわけで、見たひとから「なつかしい」「やさしい」という感想をいただけると、

写真とはまたちがう良さを表現できたのかなと、嬉しく思います^^

 

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