水彩風景イラスト

カレンダー用水彩風景画12ヶ月

こんにちは、イラストレーターの かんざき かりん です。

今日は水彩作品をご紹介します。
昨年度、NTT西日本様の卓上カレンダーにご利用いただいた、水彩風景画。
今回も西日本各地の観光名所です。12ヶ月、ご案内します^^

1月

祇園 巽橋(京都府)祇園 巽橋(京都府)

「たつみばし」って読むんですね^^知りませんでした!
時代劇の舞台みたいな場所ですね。
雪景色は想像しながら描きました。水彩だと上から重ねて描けないので、
柳と手前の桜の枝ぶりを描くのがすごく大変でした。
絵としてよくするなら柳はしょってもいいんじゃないでしょうか?
でも観光名所を描くお仕事なのでそうもいかないのでした。

2月

鶴見岳(大分県)鶴見岳(大分県)

青空をくっきりするために、ガッシュを混ぜて鮮やかにしました。
山肌はドライブラシという技法でかすれさせています。水彩紙はやや粗めでないとうまくいきません。
樹氷に苦労しましたが、描いていてきもちのいい一枚でした。

3月

門司港レトロ(福岡県)門司港レトロ(福岡県)

実際に観にいって描けないので、3月だとこの街路樹はどうなってるんだろう、
ケヤキ?プラタナス?とか気になります。
福岡だと街路樹の種類も関東とちがうんだろうな、と思って
担当の方に観光協会に問い合わせてもらったような記憶が。
(Oさんお世話になりました)描いていたのは一昨年の夏です。

4月

一心行の大桜(熊本県)一心行の大桜(熊本県)

この桜はうまくいかなくて描き直したのですが、それでもまだダメだなって思っています。
もっと、満開の桜のうわ~って夢のような感じが出せたらよかったです。

 

5月

大歩危峡(徳島県)大歩危峡(徳島県)

これも描き直して苦労しました。難しかったです!
俯瞰なので遠近感を出すのが。。。出せていないと思います。
今見ると鯉のぼりをもっと粗いタッチでざっと描いて、遠景と違いを出せばよかったなと反省です。
透明水彩はまちがったら最初から描き直すことになるので、
塗る順番とどう演出するかをしっかりきめてから取り掛からないとだめですね。

 

6月

倉敷美観地区(岡山県)倉敷美観地区(岡山県)

水彩らしく柳をふんわり描けたかな、と思います!
あとは遠景をもっとさらっと描いて遠近感を出せたらよかったです。

 

7月

馬籠宿(岐阜県)馬籠宿(岐阜県)

ラフでは昼間だったのですが、夕景にしてくださいということで
明かりがともり始めたころを想像して描きました。
この絵をみた伯母さんが、女学校のころ修学旅行で行かれたということで、
なつかしいと喜んでくださって(私の手柄ではないんですけど)嬉しかったです。

 

8月

乗浜海岸(静岡県)乗浜海岸(静岡県)

実は雲は最後にデジタルで足すことがあるのですが、これは手描きで仕上げてうまくいったので、
気に入っている一枚です。
このお仕事のあと、太田製麺所さんの五島うどんのパッケージイラストをご依頼いただいたときも
この絵でうまくいっていたのでスムーズに描けました。

 

9月

大山(鳥取県)大山(鳥取県)

お花畑にしてください、とひとくちにオーダーいただくのですが、描くのはすごくたいへん。
透明水彩だとお花ひとつひとつマスキングしないといけないので、すごい時間がかかります。
こういうとき、アクリル絵の具に転向したくなります^^;
デジタルだったららくになりますが、やはり仕上がりは同じようにはならないし、
絵の具で描く気持ちよさはないんですよね。

10月

御手洗地区(広島県)御手洗地区(広島県)

秋空の代名詞、うろこ雲、という注文もなかなか描き手にはおそろしいご依頼です。
ある程度パースにのせて、でも風にながれたり不規則なものなので、かんじよく崩して・・・
というわけで、これは最後にデジタルでいれました。何度も描き直せるので!

11月

箕面の滝(大阪府)箕面の滝(大阪府)

紅葉の水彩画はむずかしいです、
赤が描いた色のとおりスキャンや印刷ができないのもつらいところです。
これももう少し遠近感がだせたら、と今見ると思います。
滝は水墨画みたいに色味も押さえてしまえばよかったな・・・
それか近景をもっと粗いタッチにして滝にピントを合わせたいのですが、
このカレンダーではアニメ風のキャラクターが合成されるため、
あまり絵画っぽい描き方ができないのです。

12月

白川郷・五箇山(富山県)白川郷・五箇山(富山県)

雪景色だと、水彩は白いところは塗り残しで表現するので、
塗りすぎたらパーですので、緊張します。
影でふんわり積もった感じをだし、ドライブラシで木に雪がふりかかったように、塗り残す!
のがポイントです。

 

水彩風景画12ヶ月でした!ここまで観てくださってありがとうございました。
最後は表紙の背景用に描いた草原(丘?)です。

丘陵丘陵

 

こうした風景画のお仕事、取材にいければいいのですが、いつも予算と時間がなく
行けたとしても季節も時間も指定どおりにはならないので、
どのみち資料をもとに想像して描くわけですが、
あの柳のふんわり風に揺れてる感じ、灯かりがともった古い家、広がる青空と白い雲、
しんと静かな雪景色、
あの感じ、この感じ、と記憶をしぼりだして必死に描くことになります。
そうすると、自分は千葉の埋立地で育ちましたが、
子どものときの両親のふるさとや、お休みにあちこち連れて行ってもらったことが
自分の財産になっているんだな~と思いました。
自分だけの力で描いているのではないって、ありがたいことですね。

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かんざきかりん
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