こんにちは、イラストレーターのかんざきかりんです。
先週末は、日本樹木医会茨城県支部の研修会へ呼んでいただきまして、
茨城県は土浦市に。
初めて、絵の講師をしてきました!
参加者はイラストレーターになりたい人とか学生さんでなく、
樹木医さんという、
意外なご依頼。人生何があるかわかりませんね!
実は樹木医さんて昔からちょっと憧れていて
今回ご縁があって嬉しいです。
物言わぬ木を治す、というのが神秘的だし、
何年も、何十年も先まで考えて治療するのだと思うので、すごいなあと。
多分その頃、手のつくしようがなくて園芸植物を枯らしてたのかも^^;
そんな時にテレビの特番とかで見たのだと思います。
写真撮りこそなったので、レンタルスペースつくばカーサ さんのサイトから拝借!
ゆったりおしゃれでした!ピアノ演奏できるレンタルスペースもありました。
さて、皆さんとてもまじめで熱心な方々でした!
男性が多いかと思いましたが、女性もいらして。
そしてよく感じるのですが、
農家の方とかいつも自然のものに触れている人って、
気配が健全というか、優しいというか、健やかな感じがします。
これが人間としてまっとうな気がして
私も引きこもって絵を描くのやめたくなります(笑)
さて、何せ講師なんて初めてなので、
6月はあれこれ手探りで準備しておりました。
ふだん無意識にやってることをわかりやすく伝えてみようと、
いくらか資料を作成しました。
何か教える、教わる時に重要なのは、「それだけが正しい」というわけでなく、
とりあえずとっかかりとして参考にしてね、ということで
要はだんだんと自分の描きやすいように、
そして思い通りに描ければいいんですよね。
よく、アタリを取らないで絵書いちゃうプロもいますしね!
ただ私は、「1」の「流れをつかむ」というのが、
樹木に限らず人物を描くときも
重心の流れをつかむため大事にしています。
アニメーションなんか、動かす時にこの流れがどう動くか
追っていかないとけないし。
だけどイラストでも、例えば、このラフ絵を見てみますと
4人のバランスが取れるよう、体の流れのラインを引いていますね〜
みんな同じで揃っていると不自然になりますからね!
さて樹木の話しに戻りまして
「3」で細部を書き込んでいくのが、時間のかかるところです。
樹木医さんは、現場で時間かけてスケッチ、とはいかないこともあるそうなので、
「1、2」だけでいいのかもしれないと思っていたのですが、
参加された皆さんは細かいところまでとても熱心でした^^
ただ、最初から細部を上手く描くことにこだわってしまうと、
縮こまった固い絵になってしまい、
生物を描いているのに生き生きとしなくなってしまうのが、
経験上もっとも恐れていることです。
なのでその辺をしつこくお話しさせていただきました。
(*この辺り、ご興味ある方は以前のブログをご覧ください!)
「1、2」なら短時間でできるので、
それを何度も練習してから、「3」に入ってもいいのではと思うくらいです。
3における手練手管は
物の本でも、ネットでも、いっぱい教えてくれるものがありますしね。
実は、樹木のスケッチ、ということなので、
絵を教えるといえばコレ!の「パース」については、
そんなに説明が要らないと思っていたんです。
透視図法って、
建物を描くとか、漫画、アニメの背景の時には必須だけれど
自然物は、対象物に近寄った時に、「アイレベルがどこか」を意識するくらいかなあと。
それでパースはこんなサックリな説明で済ませてしまいましたが、
講座後の懇親会で、透視図法を知りたいとお二人ほどから伺ってびっくり。
造園業なので、お客さんに提案する時に描けたらいいのだそうです。
事前に知りたいことアンケートを取ればよかった!
というのが大反省です。素人ですね。
フォローアップと簡単な透視図法解説作りたいと思います。
でもこれも知っただけでは固くて、
要するに道具なので、使いこなすのはまたコツがいるんですよね〜
(すぐできる人もいるのかなぁ?)
なのでここまで今回やるのは無理だったかもしれない。
座学の後、公園にでて(猛暑の中!)
具合の悪そうな桜の木を実際にスケッチ。
流れを掴んで、というのを気にしたら描きやすくなった!という方もいたり
やはり細かいところが描けない!とこだわる方もいたり。
描けないと思うと描けない呪いにハマるので、描けない、は禁句です!
この時のスケッチ。
これは桜なのですが、木の上部に葉がなくて枝がニョキッと出ていて異様な感じ。
水辺に植えられていて、地中で根の先端が水に浸かって
腐ってしまっているのが原因だそうです。
思いもよらないですね!
またまたつくばカーサさんからお借りして来た写真。右側の桜です。
懇親会では、パースの話のほか、
木に関する知らなかった興味深い話を聞きまして、面白かったです。
違う仕事のプロの方の話というのはとても世界の広さ、
自分が知らないことの多さを実感します。
さて、帰りはつくばエクスプレス。(行きは常磐線でした)
特急料金が要らなくてびっくりしました(笑)
途中で武蔵野線で乗り換え一回で帰ってこれて、
そんな時間もかからず、
茨城県、遠いイメージだったので意外!
今度は筑波山ハイキング行きたいです。
つくばハロウィンフェスティバルのポスターで描いたつくばエクスプレス(左下)
つくばといえばロケットと筑波山とガマの油☆
つくばはこの電車が通るまでは車でないと行けない場所だったそうです。
道路も広くてまーっすぐで、アメリカみたいでした(行ったことないけど)
帰りにJAXA宇宙センターを通りかかり、筑波山のシルエットを拝んできました。
車窓から。この日自分で撮った写真これだけっていう〜
果たして、教えることなんてあるのかな?できるのかな?
という不安をいくらか抱えておりましたが、
教えようとすることによって気づく、教わる、とよく言われますが
我ながらこんなに(意識せず)考えて書いていたのか!という気づきもあり、
そして久々によく見てスケッチしてみると、
やっぱり描けば描くほどどんどん上手くなるのね〜という気づきもあり。
そして木に対してももっと関心が出て来ました。
貴重な体験をさせていただきました。
ご参加いただいた方、企画・準備してくださった茨城県支部の方々、
ありがとうございました!
オマケ。こんな風に「空間」に在る、というのを意識してね、という図。
テキトーに引いてるパースラインで、正確ではある必要はなくて。
だいたいこんな平面に立っていて、と感じながら書いてみてください。
もちろんガイドの線は書かなくていいです!イメージで。
スケッチって、立体物をいかにリアリティを持って平面に写し取るか、
に尽きるのかなあと思いました。
さあ、皆さんも鉛筆を持って外に出ましょう♪