こんにちは、イラストレーター&アニメーター、かんざきかりんです。
去年このブログの(水彩画制作手順☆透明水彩で風景を描く)で、
次回は私が普段水彩の風景画を描くときに参考にしている教本を
ご紹介します、と言っておきながら・・・
一年以上経ってしまいました^^;
すみません〜
というわけで、今日は水彩画参考図書の紹介をしたいと思います。
実はわたしは水彩画を誰にも習ったことがなくて、
アニメーター時代はひたすら鉛筆で描いてるので
色使わないですし、
イラストレーターを名乗ってから絵の具使い始めました・・・
(↑時効ということで)
もちろん絵の具は持っていたんですけど。
水彩絵の具って子供でも使うので
誰でも馴染みのある画材だと思うのですが、
学校で使うのは不透明水彩絵の具。
透明水彩って少しテクニックというか
知識が必要になります。
で、どうしたかというと図書館で
水彩画の技術本を2、3冊借りて読みました。
水彩画基礎テクニック(にじみぼかしとなど)はこの辺で学習、
あとはもう実践。
本当に下手くそでしたけど、
お仕事で描きながら上達してきた感じです。
そのとき借りた本は覚えていないんですが、
その後何冊か買って、今も参考にしているのをご紹介したいと思います。
もくじ
「見てすぐ描ける水彩スケッチ」
☆1冊目
(↑Amazonリンク貼ってます)
視覚デザイン研究所さん
この本は、空、海、木、建物、みたいに
モチーフごとに作例が載っています。
風景画を描くとき、意外と毎回
「このモチーフ初めて描くな〜っ」ていうことばっかりで、
経験でなんでも描けるというレベルに達していないわたしは
ひとまずこれを見てどう描いているかなって確認します。
特に重宝しているのは木の種類が色々あって、
ケヤキとか梅とか、樹勢などを確認するのにも
見てしまいます。
あと私は理屈っぽいので、リアルに考えすぎてフリーズした時は、
この本で頭ほぐしにきたりも^^
スケッチなのでラフなタッチで、
お仕事の絵でそのまま参考になる(描ける)ことは
あんまりないですが、
取っ掛かりとしてまず開いて見ることが多いかも。
実際に取材に行って描けないことがほとんどなので、
臨場感もつかめるといいかなあと。
水彩のモチーフがずらっと並んでるのを眺めるだけでもかわいい。
幸せを感じます。
やっぱり水彩画好きなんですね。
なんだか愛している一冊。
「見てすぐ描けるスケッチの構図」
こちらも同じシリーズ、視覚デザイン研究所さん。
これは「構図」の本なので、
1冊目はモチーフごとでしたが、こちらは場面ごとというか
- 「道のある構図」
- 「海の見える構図」
- 「見下ろしている構図」
- 「花のある構図」
・・・みたいに
いろんな場所、モチーフの絵が見られて、
見てるだけで楽しくスケッチに行きたくなります。
全ての絵じゃないけど書き順もあって、
下塗りでこんな色塗ってる!とかわかると
ぐっとレベルアップしそう。
この本の作品は何人かで描かれているので、
好みの人とそうでない人がいて、
どれが誰の絵かわかるといいのにな〜という、
個人的な要望があります^^
ものすごい点数多いので、
どれだけ時間かかって作られた本なのかなーって思うと
2千円弱で買えるなんて有り難い。
この複雑な現実をどうやって絵にしたらいいんだ!と、
またも頭固くなっている時、
この本を開くと「思うままに描けばいいのよ」
という気持ちになります(?)
お仕事の参考で一番よく見るのは空の雲かもしれません〜
これから水彩のスケッチ始める方にもイチオシです。
「水彩画プロの裏ワザ」
奥津国道さん。
このかたの絵ものすごく好きで!
最初図書館で借りたのですが、
ずっと持っていたいので買ってきました。
正確で気持ちいいパース感覚、デッサン力、
人物の点景も生き生きとしていて。
緻密に描いている部分と、筆のタッチで粗い部分との差で
写真のように見せたいところに焦点を合わせるような。
かっこいいです。
もともと油絵の画家さんだったそうです。
水彩画って絵画の歴史の中で、
油絵で本番描く前の予行練習画材だったそうです。
奥津さんの絵は、その水彩画で
油絵的な画風で描かれているというのが特徴でしょうか。
このかたがオススメしている技法が「グリザイユ画法」
(なんか美術の授業で習ったような)
まず最初にグレーの濃淡で影を塗って、
それからモチーフの色を乗せていくんですね。
デジタルでいうと、乗算で影を入れるみたいな。
それを先にやります。
塩梅に悩みつつ、
わたしも基本風景画はそれで描いています。
また、この方法でなくても、
風景画はいつも「光がどちらから差しているか」気にしながら
描くとぐっとリアリティが出てくるかと。
何点かメイキングが載っていて、
こまごまとアドバイスもありますが
まあ読んでも同じように描けませんけどね!
もう線画がうまいですから。
こんな風に描けたらいいなあと憧れ続けています。
ロングセラーな本。
玄人向けかもしれませんが見るだけでもおすすめです〜
「水彩画プロの裏ワザ2」
同じく奥津国道さん。
ハマるとしつこいです。
こちらは、1冊目と比べて水のある風景をたくさん集めていて
もちろんメイキングもあり。
水辺って、水彩画に向いている題材ですよね、
みずみずしく、透明感出して描けるとぐっとレベルアップ感。
海とか川とかの絵を描くときはこの本を必ず見てみます。
水面の色のにじみぼかし、写り込みの描き加減で
水の流れを表現するのがミソでしょうか。
まあやっぱりこんな風には描けないのですが、
近づきたいなあといつも頑張っています。
奥津さんの本を見ていると、
外国のスケッチ旅行に憧れますね〜(いつか行きたい)
日本の風景は少なめかなと思います。
わたしはお仕事では日本が多いので、
ちょうど参考になることはあまりないのですが、
このかたのレベルを目標に日々励んでおります^^
絵の具よりまずデッサン力かなあ・・・
「学校では教えてくれない風景スケッチの法則―不透明水彩絵の具ガッシュを使って描く」
増山 修 さん
これは比較的最近買った本で・・・
と思っていたらもう2年半経ってました。
水彩といっても不透明水彩の本です。
作者の方は、
透明水彩は描きなおしができず難しいから
初心者は不透明水彩がおすすめ、と
言われています。
表紙を見てすぐ分かるかと思いますが、
アニメーション背景の出身のかたです。
アニメの美術は、今はデジタルが多くなっていますが、
もともとポスターカラー
(不透明水彩の伸びが良くてリーズナブルな絵の具?)で
描くのが普通です。
速く大量に、重ねて塗るような修正にも対応して
描かねばならないのでそうなんですね。
アニメ美術の世界は、本当に速くてうまくて、
それは見事な職人の世界、尊敬するお仕事です。
脇道に逸れましたが!
私は透明水彩で、線画を生かして描くタイプなので
この本は直接参考にはならないのですが、
この本は木や草のシルエット、構図などのアドバイスが参考になります。
デッサン力もすばらしいですし。
ザックリしたタッチなのにリアルに見えるところもお手本にしたい。
不透明水彩の方が、紙質を選ばないし、
絵の具も身近な文房具屋さんで手に入るし、
子供が使った残りとかで気軽に始められるし
確かに、最初に水彩画始めるならまずは不透明水彩、
いいかもしれません^^
それにしても、絵の具が透明か不透明かってけっこう大きな違い。
大抵どっちかにハマったら
どっちかしかやらないんじゃないかなあ?
風景に関しては以上です!
もう一人別の作家さんのを持っていたのですが
どうにも馴染まなくて手放してしまいました。
仕事の資料とはいえ、やはりときめかないとダメですね。
本はあまりたくさん持っていても使いこなせないので、
目が行き届く範囲で持って、
「このことに関して足りない!」っていうときに
そういうのを探して買い足すようにしています。
人物とお花に関しては、別の参考図書があります^^
それはまたいずれご紹介できたらと思います。
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