こんにちは、イラストレーターのかんざきかりんです。
今日は水彩画のおはなし、道具編です。
私はアニメーターだったので、
絵の具で絵を描くことは高校卒業後10年くらいなくて、
イラスト描き始めてから独学でやってきました。
お仕事の全てが水彩画ではないので
熟練度はまだまだと自覚していますが
うれしいことにご好評いただいています。
デジタルツールが充実してきて、
年々アナログで描く人は減ってきていると思いますが、
やっぱり手描きの気持ちよさは捨てがたいです。
(デジタルだって決してラクに描けるわけじゃないですが)
でも手作り(手描き)はだんだん希少になって
かえって価値が高まっていくんじゃないかとも思うんです。
プレゼントしても喜ばれますし。
しかし画材屋さんは減ってきてますよね、
(文房具は増えてる~、危機感・・・!)
そんなこともあり、水彩画はいいんだよ!ってことで
今日はアナログの水彩道具をご紹介してみたいと思います。
何を描きたいか、どう表現したいかによって、
道具もいろいろだと思いますが、
ひとまず私の場合を、ご参考までに。
もくじ
水彩紙
紙は最高級といわれるフランスの水彩氏
アルシュを使っています。
昔はそれなりにリーズナブルなのを使ってましたが、
先輩に「発色のよさに助けられるのでこれだけはこだわる」と伺って
まねっこ!
絵の具が「くっ」と染み入る気持ちよさと発色のよさがたまりません。
もう戻れない・・・!
私はアルシュの185g(厚さのこと:300gもあります)を
ロールで買い、その都度必要な大きさに切って使っています。
当然薄いほうがお安いです^^
これですね。
いつも私がお世話になってる世界堂さんの
オンラインショップはこちら
https://webshop.sekaido.co.jp/product/A001259
水彩紙にはふつう、紙の目の粗さが
細目・中目・粗目の三つがあるのですが、
アルシュは極細目・細め・中目の三種となっていて、
ふつうの中目が細目くらいなんです。ややこしい。
私は風景画のときは細目、キャラクターイラストだと極細目にしています。
あまり良い例がないですが、↑これは極細目で描いたものです
ケント紙みたいにすべすべしています。
紙の目の粗さを選ぶ基準
・大きく大胆ににじみぼかしを多用、スケッチなどのとき=荒い方
・細密画など、丹念に塗り重ねる絵を描きたい=細い方
私だとこんな感じかと思います。
アルシュほど高級でなくても、
画用紙と水彩紙ではぜんぜん描き味がちがうので、
水彩紙、ぜひ試してみてください!
紙も予算と用途によっていろいろ試すと(きりがないけど)
楽しいです。
写生する人はブロックタイプがおすすめ
紙が厚くて、四辺がのり付けされていて水張りしなくていいし
持ち歩きやすいです。
デザインもすてきでテンションあがりますよね♪(画材オタク)
私はペン入れができないので鉛筆の線をスキャンし
目的によって濃さを調整してプリンターにかけるため、
薄手のロールタイプがいいのです。
なので水張り必須。
線が鉛筆のままでいいならこんな面倒なことはしなくてもいいです。
データをとっておくのは、最悪失敗したときの保険もかねてます。
このへんはまた後ほど、制作手順のときに書きますね。
絵の具
紙にこだわっておきながら、
じつは私は絵の具はそんな高級じゃないです^^;
高校生のころ、卒業生が絵の具はもう要らないと、
ごっそり置いていくのをいただいて・・・
まだそれがなくならないので!
国産のHolbein(ホルベイン)さんとか
Kusakabe(クサカベ)さんとか。
なくなったら外国のに手を出してみようかな〜と思っています。
お高いけど水彩絵の具は水でのばして使うし、長持ちしますから
長期的にみるとリーズナブルな画材と言えます^^
不透明水彩(ガッシュ)やアクリル絵の具も場合によっては併用してます。
ホワイトは以前はガッシュ白を使ってましたが、
伸びが悪いなーと思って困ってて、
お友達に教えてもらってコミック用のホワイト絵の具を買いました。
これです↓
★教えてくれたお友達のイラストレーターうたこさん
☆http://utako87.com/
四コマ漫画おもしろいですよ!
パレット
私はうちで描くことが多いので、
パレットは重くてもいいやと大きい金属タイプ(アルミ製)です。
プラスチック製は質感がいまいち・・・
テンションあがらないですよね(画材オタク)
こんなです、耐久性あって長持ちです。
プラスチックだと割れたり、
だんだんいろんな色で染まってくるので
今混ぜてる色がわかりづらくなってきます。
あるていど消耗品ですね。
でも写生のときは軽いのに限るので、
コンパクトなの(アルミ製)も持っていると便利です。
でも持ち歩きなら固形のセットがありますね。
こういうの、今欲しいなあと思っています!
固形の絵の具はパッケージがお菓子みたいでかわいいです^^
固形絵具は最初から乾いて固まっていますが、
ふつう透明水彩絵の具は
パレットにたっぷり搾り出して乾かし、固めてから使います。
なので、パレットを洗うときは
色を混ぜるスペースだけです。
筆
私の場合、和筆で熊取筆小~大4本くらい。
水張りのとき大きい水彩用の筆を使いますが、
だいたいこんなものです。
時々毛が抜けます^^;
細かいところ用&ホワイト用に細いアクリル筆二本。
ほぼこれで描いています。
・右の太いのが水張り用、ぼかし用。
・中4本が彩色筆(日本画用?)
・左の二本が細かいところやホワイト用。
マスキングインク
必須ではないですが、
スケッチよりきちんと描く場合必要だったりします。
にじみぼかし、グラデーションの空などを描くとき、
はみ出したくない他のスペースを保護(マスク)しておきます。
モチーフ、構図にもよりますね。
わたしは現在ホルベインさんのこれに落ち着いています。
ペンタイプで、修正液みたいに押し出しながら使います。
- 色が薄いピンクなので、塗ったあと線が透けて見える
- 剥がしやすい!
でも乾きづらい気がしますが・・・
なるべく薄く伸ばして塗るといいと思います~(早く乾く)
こまかいところは爪楊枝で伸ばしたりして塗ります。
マスキングを塗るのは面倒だけど、剥がすのは楽しいです~♪
けっこうお値段しますので、うっかり蓋閉め忘れに注意。
固まりますからね・・・!
マスキング液は、瓶に入っていて筆で塗る製品もあります。
こちらのほうが細かくきれいに塗れますが、
筆をすぐ洗わないといけないのと、
使い切れないうちに固めちゃってもったいないので(ズボラな人・・・)
私は最近ペンタイプに落ち着いています。
よく使う方なら瓶も良いと思います!
、
木製パネル・水張りテープ
これらはもちろん、水張りする場合必要なものです。
水張りテープ、以前、緑とか紺とか使ってみたら
剥がしづらいのなんの。
なんだったんでしょう、安かったからか、メーカーさんの違いか?
それ以来もう黒一筋、浮気しません。
ミューズさんの水張りテープ。
木製パネルは、わざわざ画材屋さんで買ってこなくても、
ベニヤ板とか、適当な木の板なら何でもいいかと思います。
(仕上がったら剥がす人の場合なら)
その他の道具
絵の具以外に、絵の題材によっては
色鉛筆やパステルなど併用することもあります。
それほど使う頻度はないんですけど、
見ているだけでかわいいですよね・・・
あとは、水張りや絵の具を早く乾かしたいときに
ドライヤーがあると便利です。
「いま、このにじみを止めたい!」という時も。
道具は以上のような感じです。
水彩画は、そんなにいろんなものが必要なわけではないですね。
こだわればきりがないけど、
基本「絵の具で絵描く」のは小学生でみなさんやりますし、
次のステップとして
- 絵の具を不透明水彩から透明水彩にしてみる、
- 紙を画用紙から水彩紙にしてみる
というところからスタートしてみてはいかがでしょう。
次回は制作手順についてまとめてみたいと思います。
お楽しみに^^