皆様あけましておめでとうございます。
かんざきかりんです。
昨年後半からブログ更新が滞っておりますが、おかげさまでいろいろなお仕事をいただき、
充実して楽しくお仕事させていただいております。
昨年2016年は「挑戦」の年、という気分でスタートしました。
去年の年賀状はこちら。
クロケーの試合に袴で臨むアリス、
「かっとばすわよ!」という気分をこめてみましたが、
振り返れば、ほんとに「挑戦」し、「変化」した年になりました。
一昨年と同じように教科書や教材、広告、カレンダーのお仕事をいただき、
クリエイターEXPOとデザインフェスタに出展したので、
表向きは大差ないのですが、心持ちがだいぶ違ってきたと思っています。
昨年の初めから、
自分が一体何をしたいのか、どんなことで本当に人の役に立てるのか、
考え続けていました。
じつは私はお仕事に限らず、子供の時からずっと
「自分でない子」にならなければいけないと思いこんで生きてきました。
よく考えてみたらへんな話しです。
お手伝いをするよい子
手のかからない、お金のかからないよい子
よい娘、よい妻、よい母、きちんとした社会人…
絵を描くことが唯一認められたことだったので、認められたくて描いてきました。
外から評価されなければ、価値のない私はこの世にいてはいけないという
不安と孤独が、いつも心の奥底にありました。
それを見たくないがために必死で描いてきました。
大抵完璧になんてできないですし、
苦手なこともいっぱいあります、
こちらに悪意はないのに責められることも。
努力にかかわらず、「よい子」がうまくいかないと・・・
自分に絶望し、たびたび生きる希望を見失ってきました。
こんな弱い人間はいやだと思っても、違う性格に生まれ変わりたいと思っても
どうにもなりません。
自分の問題を解決しないまま大人になり、親になりました。
男の子の兄弟。それぞれ違う性格ですが
どんな失敗をしても怒られても、決して自分の存在意義を見失わない、
強いうちの子どもたちを見るにつけ、おかしいのは自分だと思い知らされてきました。
そんな暗い長いトンネルを抜ける兆しを2016年の初めに見出しました。
きっかけは、wordpressを教わりにいった講師の先生に質問されたことでした。
やりたい仕事、やるべき仕事が定まらない、このままで子供の学費を稼げない、
焦って周りが見えなくなっている私に
「今までやってきたどの仕事が一番楽しかったですか?」
と問いかけられました。
私があれはだめ、これはだめ、と思い込んだいる事柄1つ1つに
「それは人が言ったことですよね」
「それはお友達が経験したことですよね」
「あなたはどうですか」
そんな風に何度も聞かれるうち、自分だけが思い込み決めつけてきたことを
「ほんとにそうなのか?」と考えはじめました。
私には本当に価値がないのだろうか?価値がないと思っているから
周囲からそのように扱われてきたので、さらにその思いを強くしてきたのではないか。
その時にさした一筋の光が、他にもいろんなきっかけで大きく広がってきた一年でした。
これまで読んだ本、経験したこと、人に教わったこと、すべてが最後のピースがそろったことで
完成したパズルのようでした。
プライベートでも、お仕事でも、これまで私に関わってくれたたくさんの人たち。
私を認め応援してくれたひともたくさんいます。
それが嬉しくてもすぐに自分に過酷なダメ出しをしてきました。
せっかくのギフトを受け取らずに。
そのありがたさを思いつつ、一方で人の評価によって自分が決まるのでないこと、
たとえ何ができなくても自分に価値がなくならないことを、
言葉としては当たり前のことなんですけど、身にしみこんで「わかった」のでした。
最後のパーツを手に入れたかもしれない、そんな時期。
昨年11月、デザインフェスタに間に合わせようとアリスの絵を31枚描きました。
アリスも、不思議の世界のキャラクター達も、みんな自由で自分を見失っていません。
わがままに自分勝手に、噛み合わなくても一向に構わず、「自分」でいる。
それが名作たる所以で、知らず私もそれに惹かれていたのかも知れない、と思いました。
子供のときはアリスは面白くなかったんです。
大人の意向をくみ取らなければいけないと思っている、子どもらしくない子どもだった私は
アリスの世界はみんな身勝手で噛み合ってなくてついていけないわ、と思っていました。
「分かり合おうなんて思わなければ、それなりに楽しいお茶会かもね」
この日めくりカレンダーの絵を描きながら、
アリスや他のキャラクターの言動を参考に
自分の「思い込み」をはずしていく作業をしていました。
最後の絵(31日)は「価値がない自分」というラベルから解放され、
自分の好きなことへ向かって駆けていく自分と、自由なアリスの姿が重なりました。
この絵が私の2017年のスタートです。
ただ自分でいればよくて、何も失う恐れはなく、世界は美しく、人は善なるものと思える。
そうでない心持ちになることがあっても、また戻れる。
そんな希望を込めた絵や、コンテンツを作っていくことが私の「一番好きなこと」だと気がつきました。
その想いが、同じような暗闇を感じている人に少しでも伝わったらとても嬉しい。
同じ志を持つ人と一緒に作品やサービスを生み出していきたい。
そう思っている自分に気がつきました。
これまで何かひとつにやることを絞りなさい、といろんな方にアドバイスいただきましたし、
自分でもそうしなければと思ってきましたが、
風景画なのか、人物イラストなのか、キャラクターなのか、アニメーションなのか、決められずにいました。
それらは手段であって志ではなかったので選べなかったのです。
たぶん、私にとって一番重要なこと、基礎は、思想があるかどうかでした。
人の作品でも、つたなくても、技術がなくても、そういう思想を感じたときに感動します。
私もそういうことがしたい。
でも、今までやってなかったのかといえば、やっていたのかもしれません。
そういうことを明確に発信していないにもかかわらず、
「ぜひあなたに描いて欲しい」と言っていただくとき、
無意識下で発している私の想いがわずかでも受け取られていたのだと思うと、
世界はなんて素晴らしいのだろうと、感動してしまいます。
今まで錘を引きずって回り道をしてブレーキをかけながら生きてきていたけれど
これからは軽やかに楽しく希望をもって
私に巡ってきてくれる人や物事に感謝して進んでいきたいです。
表向きは同じようにお仕事しているかも知れませんが、水面下ではこんな変化がありました。
多くの人が普通にできているようなことを、やっとできるようになりました。
長いごあいさつをここまで読んでいただきありがとうございます。
それで、せっかく教わったwordpressは放置気味ですが(笑)
一応の成果としましては、昨年6月にショップを開設したのが大きな出来事でした。
こちらではアリスや雑貨に関するブログを書いていますので、ご興味あるかたはご覧いただけますと嬉しいです。
なぜショップを始めたのかというと。
「0」から「1」を産み出せるクリエイターなのになかなか職業として食べていけない、
という現実を感じており、
でもやはり、デザインもイラストもアニメもキャラクターも、とても需要のある、役に立つもののはずで、
クリエイターが直接、商品やサービスをお客さんに届けることで、そんな現実を変えていけないかという挑戦、
なのです。
また、ショップがある程度軌道にのれば、自宅で仕事をしたい子育て中のママ友達にお仕事を頼むことができます。
センスある有能な主婦はいっぱいいるのです。
そういうふうに、将来的には自分が仕事を「産み出す」こともできたらいいなと思っています。
商品によっては、他の作家さんとコラボしたりできたら楽しいだろうな、と想像したり。
本当は仕事の片手間にやることではないのかもしれないですが、
できないと決め付けないで、あいかわらず欲張ったまま進んでみようと思います。
そんな一方、今年はアニメーションのお仕事に長期で携わることになりました。(↑これは関係ないです)
(ますますショップ放置気味になりそうですが)
今までの自分の経験も想いもすべて活かせるお仕事をいただき、とても有り難いです。
クライアントの期待に応え、見る人心に届く作品になるよう、全力で臨みたいと思います。
また、今年は年賀状を失礼いたしまして、ウィンターグリィーティングにて御礼・ご挨拶する予定でおります。
昨年中お世話になった皆様、年賀状をくださった皆様、本当にありがとうございます。
改めまして、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
かんざき かりん
★☆★フォローお待ちしています★☆★
・かんざきかりんTwitterアカウントはこちら→@karinkanzaki
・かんざきかりんfacebookページはこちら→イラストレーターかんざきかりん