こんにちは、イラストレーター&アニメーターのかんざきかりんです。
お盆が明けてもなかなか湿度が下がらずでしたが、
9月に入ったらはっきり秋の空気で気持ちがいいです。
さて、今年度担当させていただいている、
ダスキンさんの機関紙「喜びのタネまき新聞」表紙イラスト、
588号はやや季節が戻ってしまいますが、真夏の千葉県犬吠埼灯台でした。
珍しく、制作中に写真を撮っていましたので、
製作手順をご紹介してみたいと思います。
まずは構図のラフです。色鉛筆で描いています。
サイズは原寸。
チェックしていただき、もっとカメラが引くようご指示いただきました。
緑のフレームが新しい方。
ラフを拡大して線画を清書しました。
雲は線で描かないので、絵の具の時に薄く鉛筆であたりを入れて描きます。
水彩紙に印刷すると薄くなるので、スキャンしたあと線ははっきり目に補正します。
水彩紙に転写しました。
今回は空の面積が広いです。
グラデーションとかのびのび塗りたいので、
水平線と地平線、灯台をマスキングします。
筆の勢いで塗ってしまわないようにするためです。
マスキング液は以前もご紹介しました、ホルベインさんのこれが定番になってきました。
線がみやすく、剥がしやすい。
スティックタイプ。
空は、途中で絵の具が乾かないうちに色々な作業があるので手が離せず、
ここまで写真飛んでしまって。動画撮れるといいですね〜
まず空の部分を水で下塗りし、雲の部分を残して空の色を塗っていき、
雲の影をぼかしながら入れていきます。
今回入道雲が最大の難関。真夏の眩しい白い雲をイメージ。
一発勝負なので、ここで失敗したら描き直しだな〜と覚悟していたのですが、
まずまずうまくいきました。
灯台が主役なので、雲は入道雲だけれどぼんやりめに。
マスキングを指でこすって剥がすと、いい感じ。
もうここで筆を置きたい衝動に駆られます。。。
あとは他の色を想像してね!という〜
塗りかけの絵って好きなんです。
しかしお仕事なのでそうもいきません。
ところで上部の黒い点々はプリンターの不調によりついてしまったもの。
うちの子、頑張ってくれているのですが、もうゴムが劣化しているのか寿命かもしれません。
拭き取ってみても無くならず。厚みのある紙の時だけなんだけど。
あとでデジタルで補正することになります〜(涙)
海と陸をざっくり塗っていきます。
海も面積広いので、岩場などマスキングしました。
手間はかかるけど、やはり綺麗な仕上がりになります。
海に細かいタッチを追加し、波のようにしてみました。
陸の緑と岩場も丁寧に質感を加えていきます。
海辺の人物やパラソルを鮮やかな色にしてアクセントに。
最後に波しぶきをホワイトで入れて、
アナログ作業は完了。スキャンして、細かい補正をし、納品。
担当の方がいつも見本誌を送ってくださいます。
完成紙面はこちら。
紙質の関係でかなりコントラストが強くなっています。
余談ですが、今回の社長さんのお話「与えるのでなく教える」
「魚でなく釣り方を」というの、
私もふだん子育てでそう思っていることです。
なんでも欲しいもの(魚)を与えるのでなく、
手に入れる方法(釣り方)を教える。
自立して幸せな人生を送って欲しいという想い。
今回も良いお話しですね〜!
この「喜びのタネまき新聞」は、バックナンバーを
ダスキンさんHPで読むことができます。
こちら
http://www.duskin.co.jp/torikumi/tanemaki/
次号は香川県です。お楽しみに〜!