フリー素材のイラストでは足りない。
プロのイラストレーターに仕事を頼みたいなあと
思った時、
という悩みはありませんか?
私が時々いただく質問や、
ネット上で見かけるトラブル・疑問などを参考に
Q&A形式でまとめてみました。
なるべく自分の経験から、
客観的に業界を見渡して判断したことを書いていますが、
とにかく法律で決まっている以外のことは
「クリエーターによって違う」ので、
絶対ということではなく、
一つの基準、参考にしていただけましたら幸いです。
もくじ
イラストレーターの探し方
いくつか手段があるかと思います。
書店で「イラストレーター年鑑」を購入して探す
旧来の手法です。
有名どころの年鑑を二つ紹介しますと
★イラストレーションファイル(玄光社)
こちらはイラストレーションという雑誌を発行している老舗の出版社。
★ILLUSTRATORS’ JAPAN BOOK―活躍する日本のイラストレーター年鑑(株)シュガー
こちらは、イラストののエージェント企業。
他にもあるかと思いますが、
私は載せたことがないので詳しくありません。
大きめの書店、Amazonなどで売っています。
掲載費用をかけてそういった年鑑に載せている人は
間違いなくプロですので、安心感があります。
上下巻があって数百〜千人くらいのイラストレーターが載っています。
ネットがない頃からプロで活躍していたベテランさんが多い印象です。
しかし今はネット検索時代ですので
A・googleなどで検索する
B・イラストレーターの検索サイトで探す
C・クラウドワークス、ランサーズ、ココナラなどのサービスで探す
D・SNSで探す
などが手軽に探せて主流かと思います。
この三つの場合、プロフェッショナル度合いは
A > B > C (Dは判断できず)
となるかと思います。
ひとつずつ詳しく説明してみます。
googleなどで検索する
検索窓で「イラストレーター」と検索すると
たくさん結果が出てきます。
しかしadobeのソフト「Illustrator」に関することも
出てきてしまうので、
(イラストレーター)+(依頼したい内容・ジャンル)
のようにキーワードを足して検索してみましょう。
例:
「イラストレーター 水彩画 花」
「イラストレーター 広告マンガ」
「イラストレーター 似顔絵」
「イラストレーター」と名乗っていれば
仕事で描いている可能性が高いですが
「依頼」を加えるとより精度が高まるかと思います。
例:
「イラストレーター 水彩画 風景 依頼」
「イラストレーター 小説挿絵 依頼」
「画像検索」にすると、たくさんの絵を見比べて
この絵がいい!と、一目でわかりやすいと思います。
が、お仕事として描いているとは限りませんので、
その画像のあるサイトに飛んで確認しましょう。
とはいえ、こだわりのある人はいいけれど
一人一人、自分の要望に合う人かどうかを探すのは手間!
そういう時はイラストレーター検索サイトを利用すると便利です。
イラストレーターの検索サイトで探す
短時間でたくさんの会員の絵を見比べることができます。
「イラストレーター 登録サイト」などと検索してみましょう。
私が所属しています「イラストレーターズ通信」は会員数777人(2017年7月現在)
会員は皆、お仕事でイラストを描いているので責任持って仕事してくれるかと思います。
ご参考まで。
(イラストレーターのエージェントではないので、仲介料は要りません。
ご自分で個々のイラストレーターに問い合わせる形になります。)
クラウドワークス、ランサーズ、ココナラなどのサービスで探す
これらはフリーランスの登録サイトで、
オンラインでクリエーターに仕事を頼めるサービスです。
さまざまなジャンルがありますが、
イラスト制作ももれなくあります。
メリットは、
・予算から探せる
・お安く頼めることが多い
・募集を出して複数の人から選べる
・料金のやり取りなど企業が仲介してくれて安心
などでしょうか。
デメリットは
イラストレーター側からすると、仲介マージンがあるので薄利であり
実力のあるプロはまず登録していないこと。
なので、実績を積みたい駆け出しさんやアマチュアさんが多そうです。
(お安くても上手い、掘り出し人材もいないとも限りません)
ハイクオリティを求めないなら、発注サイドには便利なサービス。
有名どころを三つご紹介します。
SNSで探す
・準備中です、お待ちください。
問い合わせて、迷惑がられない?
頼んでいいものか悩む、という話しをたまに聞くのですが、
同業者の方を見渡してみても、
スケジュールや予算によって全て引き受けられるわけではないですが、
問い合わせや依頼の打診は嬉しいものです。
世間の予算感や需要を知る、というのも仕事上大事なことなので
遠慮なく連絡してみてください。
迷惑と思う人、これ以上仕事を受けられない人は
「今受けられません」と書いているはずですから。
責任持って仕事をしてくれる人の見極め方
ちゃんと仕事をしてくれるか心配・・・
どんな職業の人でも実力や人柄に差があるように
イラストレーターもピンキリ。
見極めるポイントをまとめてみました。
候補のイラストレーターのサイトに行ったら、
絵のサンプルだけでなく。
プロフィール、仕事経歴をよく確認しましょう。
自分で好きに描いた絵が上手でも、
人のオーダーを受けて描いたら全然ダメ、
っていうのは本当にあります。
注文に応じた絵が描けるのかどうか。
仕事経歴を見て
たくさん仕事をこなしているか?
何年お仕事しているか?を
確認するといいでしょう。
また、ブログがあればざっと目を通して
人柄も探ってみます。
特に長期的なお仕事の場合
なるべく相性が合う方がいいですよね。
または、公開していなくても
問い合わせを送ったら返信に載せているかどうか。
(契約の際には住所も確認)
個人情報をネットで晒すのはリスクですが
お仕事ですので、ある程度の開示があるのが常識かと思います。
例えばSNSなどで仲良くなった人だからといって、
ハンドルネームしか知らない状態ではちょっと心配です。
仕事なので、きちんと本名や連絡先を交換しましょう。
(現実なら名刺交換ですね)
しかし、クリエーターは個性的で
一般的な枠にはまらない自由人もいます。
プロより上手いアマチュアもいますので、
ビジネス的な常識がないからといって切り捨てるのも
もったいないことがあるかもしれません。
そこで、書面で約束を交わすことをお勧めします。↓
契約書は必要?
そんなこともあり、発注書や契約書、それに準ずる書類を作成することをお勧めします。
また下請法という法律で、発注者(法人)が親事業社規模に相当する場合は、
発注書の発行が義務付けられています。
私の場合、発注書をくださるお仕事先は全体の4分の一くらいですが、
(本来は仕事に入る前に作るものですが、お忙しいので納品後にいただくこともあります)
発注書がない場合は、私は所属団体で推奨されている確認書類を作成しています。
そのようにイラストレーター側で簡易なテンプレートを用意していることもあるかと思います。
一手間ですが、きちんとお仕事してもらうためにも、
依頼内容に認識の違いがないかとうかを確認するためにも、
何かしらの形に残るものがあるとトラブルはぐっと減ります。
また、そういう書類を用意しているクリエーターは、
責任持って仕事をやり遂げてくれる可能性が高いと思います。
発注内容の伝え方が大事!
最初から依頼の問い合わせでなく、こう行った仕事に興味があるか、とか
まずは見積もりをお願いするというのも有りだと思います。
その旨明記して問い合わせてみてください。
また、コンペの依頼の時には必ず伝えてください。
依頼しようと決めたら、必要事項が漏れていると
やりとりに無駄に時間がかかってしまうので、以下の項目を参考にしてみてください。
- イラストの依頼内容(例・「〇〇〇〇〇」書籍内 挿絵〇点)
- イラストの使用範囲、期間(例・該当書籍内と一部webサイト掲載)
- タッチなどの希望、参考画像やサンプルなどを指定。(例・タッチは水彩画で)
- 予算(確定していなくても大まかな目安)(例・一点〇〇円 または一式〇〇円など)
- 希望納期(例・ラフを今月中 最終納品を来月〇日など)
- お名前、会社名やHPアドレス、連絡先など。(名刺代わりです)
詳しいことは打ち合わせ時で良いかと思いますが、
取り急ぎスケジュールと、予算が大きな目安です。
おそらくイラストレーターはいくつか平行してお仕事していますので、
せっかくのお話でもスケジュールが合わないとできませんし、
事業が赤字になる程低い予算ですと受けられません。
仕事が成立しないなら、お互い時間の無駄にならないよう早く結果がわかった方がいいでしょう。
著作権がよくわからない、ざっくり知りたい
著作権というのは、いくつかの権利の束ですが、
イラストの料金というのは通常、イラストの「著作使用料」にあたります。
例えば、商品のパッケージ用にイラストを発注した場合。
そのイラストをさらにチラシ、web、パンフレット、名刺などにも使いたい、のならば
それらでの使用料も含めた料金になります。
制作料ではないんですね。
後から使用するものが増えたら、二次使用料(流用費)を支払うことになります。
金額は、媒体によって2〜5割でしょうか、イラストレーターによって違うと思うので尋ねてみてください。
もし将来的に多くの使用媒体を想定していて、そのイラストを半永久的に他者に使われたくない場合
著作権譲渡の契約が必要かもしれません。
「買取」と言われることもあります。
権利が移動するので、不要になればそれを売ることもできます。
その分、料金は一桁、二桁大きいのが一般的かと思います。
著作権法で定められているように、特に著作権譲渡の契約を交わさない限り、
著作権は作者から離れることはありません。
(譲渡の契約をしても、著作者人格権は人権みたいなものなので、移動することはありません)
ですので、最初に依頼するときにその点確認し、必要な範囲を決めて約束しておきましょう。
大抵は莫大な予算をかけて著作権譲渡契約をしなくても、
目的の使用範囲で契約すればすむことが多いと思います。
例えば譲渡が普通なのは、企業キャラクターやロゴ、ゲームなどのキャラクターやイラストなどでしょうか。
用途が広範囲で独占的なもの、商標をとるようなものになるかと思います。
★イラストの著作権譲渡について、
こちらのブログで、イラストレーターズ通信代表が詳しく説明されていますので
詳しく知りたい方はご覧ください。
★著作権について、検索すれば色々わかりやすい解説を見つけられます。
こちらのサイトがわかりやすいかと思いましたのでご参考にどうぞ
*著作権の話しが出たついでに。
イラストを依頼する時、参考にして欲しい写真などの画像を、
ネット上から探してきて提示する場合があるかもしれません。
その画像の著作者に許可をもらっていない限り、その画像とあまりに酷似したイラストを描いてもらうのは、
著作権法に触れる恐れがあります。
もし自分で用意した、著作使用権を持っている画像なら「この通りに描いてください」もOKですが
そうでない場合、ネットで探した画像なので、あくまでこの辺を参考にしてください、と
伝えていただけると、無用なトラブルが避けられるかと思います。